ポートフォリオ起業家の特徴
カテゴリ : SOHOデータウォッチング
最近、副業している人の中で、アルバイト感覚の副業というより、複数の本業を持っている「複業」をしている方が増えてきたと言われています。個人事業主や会社経営者でも、複数の事業、会社を同時に経営している「ポートフォリオ起業家」が注目されています。日本政策金融公庫総合研究所の「新規開業実態調査(特別調査)」(2016年)によれば、初めて起業した「未経験起業家」が87.3%で最も多いですが、次々に起業している「連続起業家」が8.4%、複数の事業、企業を同時に経営している「ポートフォリオ起業家」が4.3%いたそうです。
では、ポートフォリオ起業家は、どのような特徴を持っているのでしょうか。データを見てみましょう。
「現在の事業内容を選択した理由」(上位3件)
未経験起業家 連続起業家 ポートフォリオ起業家
これまでの仕事の経験や 47.6% 43.6% 26.0%
技能を生かせるから
地域や社会が必要とする仕事だから 14.2% 19.8% 30.0%
成長が見込める事業だから 7.2% 8.9% 22.0%
(資料:日本政策金融公庫総合研究所「新規開業実態調査(特別調査)」(2016年))
このデータは、現在行っている事業を選択した理由を尋ねたものですが、ポートフォリオ起業家は、自分の経験や技能など持っている経営資源の活用をもとに事業内容を選択しているというより、市場ニーズや成長性などの事業機会を重視して選択していることがわかります。もちろん、複数の事業を経営していく中で獲得した知識や経験を別の事業に生かしている可能性もありますが、どちらかといえば事業機会をとらえて新たな事業にチャレンジしているということができます。
(SOHOシンクタンク運営委員 鹿住倫世)